頭痛外来
頭痛について
頭痛にはさまざまなタイプ・原因があり、一次性頭痛と二次性頭痛の大きく2つに分類されます。一次性頭痛とは、はっきりとした原因や疾患が見当たらない、「頭痛そのものが病気」の頭痛です。二次性頭痛とは、くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎など他の疾患が原因となり起こる頭痛です。
繰り返し起こる一次性頭痛
一次性頭痛には 片頭痛、 緊張型頭痛、 群発頭痛 があります。
これらは「3大慢性頭痛」と呼ばれています。
繰り返し起こる頭痛で、日本国民の約4人に1人が悩んでいるとも言われています。
そのなかでいちばん有病率が高いのは緊張型頭痛です。
緊張型頭痛は、鈍い痛みが数時間~数日繰り返したり、毎日のように続いたりします。
一方、片頭痛は、発作的に起こる激しい症状が特徴です。
片頭痛と緊張型頭痛が併発することもあります。一次性頭痛の中でも特に片頭痛は、日常生活への影響が大きいことが知られています。そんな片頭痛についてお話いたします。
ではどのような場合片頭痛を疑うのでしょうか。
片頭痛の特徴的な症状を次に示します。
1. 頭の片側に起こる
2. ズキンズキンと拍動性の痛み
3. がまんできない・仕事などに支障
4. 体を動かすと痛みが悪化
5. 頭痛が起こると吐き気
6. 光・音に敏感になる
しかし、意外と片頭痛は片側だけでなく両側が痛む人が約4割とされています。
患者数は約840万人と言われ、多くの人が片頭痛に悩まされています。また女性に多くみられる疾患で特に20から40歳代に多く子育てや家事等なにかと忙しい世代ですので悩ましい限りです。
また片頭痛があっても医療機関で治療を受けない方も意外と多いと言われます。
適切な治療を受けられて辛い頭痛から少しでも解放されることを願います。
強い痛みに悩まされることによる生活への影響
片頭痛の場合、動くと症状が悪化しさらに痛みが強くなるほか、強い吐き気を伴うなど日常生活を普段どおり送れなくなるのが特徴です。
予定していた用事を中止したり、仕事を休んでしまったりします。本人にとっては大きなストレスになります。
片頭痛が起こる原因のひとつとして「脳の視床下部」
片頭痛が起こる原因は、まだはっきりとわかっていませんが、脳の視床下部が関係していると考えられています。
視床下部は、ホルモンや体温の調整などの重要な働きをしています。
視床下部で脳の電位・脳内物質などの何らかの変化が起こると、顔の皮膚の感覚を伝える三叉神経に炎症が起こったり、脳内の血管が拡張して三叉神経を刺激したりして、痛みが起きます。三叉神経の一部は脳の血管を取り巻くように通っているため、脈を打つようなズキンズキンという痛みが現れるのです。
治療 片頭痛の治療の中心は薬物療法です。
治療薬のトリプタンには、三叉神経の周囲の炎症を抑える作用と、脳の血管を収縮させる作用があります。
トリプタンは、片頭痛の痛みが起きたらなるべく早くに使用するとより効果を発揮します。
頭痛が頻回に起こる方や、頭痛によって日常生活に支障がある方、トリプタンなどの治療薬が効かない方、片頭痛を起こすことに対する不安が強い方などは、予防薬が使われます。
予防薬にはカルシウム拮抗薬、β遮断薬、抗てんかん薬、抗うつ薬などがあり、
痛みの程度や持続時間を減らしたり、トリプタンが効きやすくなる効果があります。
効果が出るまで2か月以上継続し、頭痛が緩和されると通常は薬の量を減らしていきます。
片頭痛が起こる原因のひとつが「脳の視床下部」
片頭痛が起こる原因は、まだはっきりとわかっていませんが、脳の視床下部が関係していると考えられています。
視床下部は、ホルモンや体温の調整などの重要な働きをしています。
この視床下部で脳の電位・脳内物質などの何らかの変化が起こると、顔の皮膚の感覚を伝える三叉神経に炎症が起こったり、脳内の血管が拡張して三叉神経を刺激したりして、痛みが起きます。三叉神経の一部は脳の血管を取り巻くように通っているため、脈を打つようなズキンズキンという痛みが現れるのです。
治療 片頭痛の治療の中心は薬物療法です。
治療薬のトリプタンには、三叉神経の周囲の炎症を抑える作用と、脳の血管を収縮させる作用があります。
トリプタンは、片頭痛の痛みが起きたらすぐに使用すると最も効果を発揮します。
頭痛が頻回に起こる方や、頭痛によって日常生活に支障がある方、トリプタンなどの治療薬が効かない方、片頭痛を起こすことに対する不安が強い方などは、予防薬が使われます。
予防薬にはカルシウム拮抗薬、β遮断薬、抗てんかん薬、抗うつ薬などがあり、
痛みの程度や持続時間を減らしたり、トリプタンが効きやすくなる効果があります。
効果が出るまで2か月以上継続し、頭痛が緩和されると通常は薬の量を減らしていきます。
新しいタイプの片頭痛予防薬 CGRP関連抗体薬
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、片頭痛が起きているときに血中や唾液中で増えていることが知られている物質です。三叉神経という神経の末端からCGRPが放出されると、脳を覆う硬膜にある血管などに作用し、血管が拡張するとともに、その周囲に炎症が起き、その刺激が脳に伝わって痛みが起きると考えられています。
CGRP関連抗体薬は2021年に保険適用となった新しいタイプの予防薬(注射剤)で、CGRPを直接ブロックしたり、血管などにあるCGRPが結合する受容体をブロックすることにより、片頭痛を予防する働きがあります。
注射を始めて1か月後には、半数近くの人が頭痛日数は半分以下となり、
早ければ投与後1週間以内に効果を感じる人もいます。約8割の方に効果があり、痛みが軽くなる、トリプタンの服用日数が減る、吐き気を伴わなくなった、寝込まなくなったなどの効果があるといわれています。
新しいタイプのCGRP関連抗体薬
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、片頭痛が起きているときに血中や唾液中で増えていることが知られている物質です。三叉神経という神経の末端からCGRPが放出されると、脳を覆う硬膜にある血管などに作用し、血管が拡張するとともに、その周囲に炎症が起き、その刺激が脳に伝わって痛みが起きると考えられています。
CGRP関連抗体薬は2021年に保険適用となった新しいタイプの予防薬(注射剤)で、CGRPを直接ブロックしたり、血管などにあるCGRPが結合する受容体をブロックすることにより、片頭痛を予防する働きがあります。
注射を始めて1か月後には、半数近くの人が頭痛日数は半分以下となり、
早ければ投与後1週間以内に効果を感じる人もいます。約8割の方に効果があり、痛みが軽くなる、トリプタンの服用日数が減る、吐き気を伴わなくなった、寝込まなくなったなど仰います。
3種類のCGRP関連抗体薬(エムガルティ、アイモビーク、アジョビ)
現在、保険適用となっているCGRP関連抗体薬は3種類あります。すべて「皮下注射」で、上腕部・太もも・腹部などに使用します。最初は医療機関で注射をすることがすすめられますが、その後は自己注射が可能なのが利点の1つです。費用については保険適応ですが3割負担の方の場合は注射剤1本で1万円余りと高価なのが難点です。
治療の対象は
・18歳以上で医師に片頭痛と診断されている方
・片頭痛が平均して1か月に4日以上ある方
・急性期治療薬(ロキソニンやトリプタンなど)を使用しても日常生活に支障がある方
・片頭痛発作の予防薬(インデラル、ミグシス、デパケンなど)の効果が乏しい方、または内服の継続が困難な方
使用の頻度 4週間毎、または月に1回のペースで皮下注射します。
注射を始めて3か月後に効果を判定し、効果があるとわかってから最低6か月以上は続けて、経過が良ければいったん中止することも可能です。症状が再び強くなってきた場合は再開を検討します。
■エムガルティ
2021年4月に日本で初めて登場した片頭痛の予防薬です。
施設要件がある薬剤ですが当院で処方可能です。
初回に2本、以降は月に1本のペースで注射を継続します。
初回に2本打つことでお薬の血中濃度が早く安定した状態となり速やかな効果が期待できます。
エムガルティに関してお調べになられたい方はこちらをクリックください
→https://www.emgality-patient.jp/(エムガルティのサイト)
片頭痛の方が頭痛とうまく付き合っていくために
片頭痛の主な引き金には、次のようなものがあります。
① 月経・排卵や出産後・更年期
②寝不足・寝過ぎ
③空腹
④ストレス
⑤ まぶしい光・強いにおい
⑥人混み・騒音
⑦ 天候の変化・高い湿度
⑧アルコール
視床下部は、睡眠、食欲、自律神経、女性ホルモンの分泌などをつかさどっているため、
様々な要因が片頭痛を起こす引き金になると考えられています。どうぞご注意ください。
頭痛でお悩みの方は是非ご相談ください。