健クリニックブログ

2024.07.17更新

体の内からアンチエイジング(内科領域)

人生百歳時代と言われるほど日本人は長寿となりとても喜ばしいことですが、自立して生活できる年齢(健康寿命)は、現実の寿命より約10年短いのが現状です。

アンチエイジング医療は、健康寿命を延ばすことを目標の一つとしています。

そのためには動脈硬化の予防と治療、免疫力アップ、筋肉の強化(運動)などが重要です。

アンチエイジングというと、ともすればサプリメントや高価な点滴等が頭に浮かぶかもしれませんがそうではありません。

平凡ですが高血圧症、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病、脂肪肝、脳血管障害や虚血性心疾患などいわゆる生活習慣の管理が最も大切です。

ご自身でできる事として、塩分制限(日本人は世界的にも塩を取りすぎる民族です)や禁煙、節酒、運動習慣などに是非心がけてください。

当院ではきめ細やかに患者様の状態を見極めて生活指導や治療を行っています。

また肥満・アルコール・認知症・長寿遺伝子等の検査を行っており、生活習慣改善の参考資料として大切ですので興味のある方はどうぞお問い合わせください。

近い将来には再生医療や遺伝子診断、遺伝子治療などがもっと身近になると思うので治療の範囲も広がるのではと思います。 

 

体の外からアンチエイジング(皮膚科領域)
皆さま、光老化と言う言葉をご存じでしょうか。

紫外線は骨の代謝や免疫力アップなど健康に欠かせないものですが過剰な紫外線は皮膚にメラニン色素や角質の増加や乾燥を起こして老化現象を速め、更には皮膚癌の一因にもなり得ます。

そうした病態に対して皮膚科領域の治療には画期的なものが登場してますので自院の治療経過症例をご紹介します。

 

皮膚の老化の代表例はシミですね。気になる方も多いのではないでしょうか。

まずは47歳代女性、シミ(日光黒子)をQスイッチルビーレーザーで加療しました。

老人性色素斑ともいわれますが過去に紫外線を多量に浴びた場合は若くてもシミができる事があります。

本例は治療後15年経った今も再発されていません。

 syourei1

 

またいぼも気にされる方が多いと思います。

次は59歳男性、いぼ(皮膚腫瘍・脂漏性角化症)を炭酸ガスレーザーで加療した症例です。

syourei2

 

最後の症例は76歳代男性、早期の皮膚癌(有棘細胞癌)でした。根治術を施行して2年経過した今も再発なく経過良好です。

syourei3

本例のようにいぼだと呑気に思っていたら実は皮膚癌だったという例もありますのでご注意くださいね。

腫瘍が増大傾向の場合や色素が周りににじんでいる場合、赤味があったりカサカサしている場合は要注意です。ご心配な方は是非ご相談ください。

 

長年悩んでいたシミやいぼが治ると老若男女問わず心も若返り更に活習慣病も頑張って良くしようと思われるようです。

 

次の大阪万博は「いのち輝く未来社会」をテーマにしており、また大阪ヘルスケアパビリオンのテーマの一つが「10歳若返り」の予定です。

皆様、健康長寿・生きている限り健康を是非めざしましょう。

投稿者: 健クリニック 院長三木基子

2024.07.17更新

遺伝子検査についてお話ししましょう。

遺伝子検査といえば、癌関連の遺伝子が有名ですが、人生100歳時代を迎えて、健康長寿を目指して様々な遺伝子の分析が行われています。

たとえば、APOE4遺伝子はアルツハイマー型認知症と関連が深く、日本人の10%がこの遺伝子を1つ、2%が2つ持っており、それぞれ、約3倍、約12倍も認知症になりやすいことが明らかになっています。

また、アルコールの分解酵素の遺伝子タイプによって、お酒に強いか弱いか、アルコール依存症になりやすいかも分かるようになりました。 

また過度の飲酒によって消化器系の癌になりやすい体質であるかも調べることができるようになりました。

遺伝子検査で大切なのは、あまり良くない遺伝子を持っていると分かった場合に絶望するのではなく、その対策を十分に行うことができると考えることです。

BRCA1/2という遺伝子を持っていると乳がんや卵巣がんになる可能性が高くなることが知られていますが、アンジェリーナ・ジョリーがこの癌遺伝子を持っていたことから、乳がんが発症する前に切除手術を受けたことは有名ですね。

これはとても極端な例ですが、遺伝子検査の結果をどのように活用するかは大きな問題です。

そして更に、近年長生きに関わる長寿遺伝子もわかってきました。

私たちは一人一人、体内に数えきれない遺伝子(約23,000個)を有しています。

癌や動脈硬化などの病気はそれぞれの遺伝子が食事や喫煙などの環境因子によって変異したりして活性化した結果、病気を発症すると考えられています。

その一方で長寿遺伝子と呼ばれる遺伝子は活性化すると、傷ついたDNAを修復して元気な正常の細胞に蘇るよう促します。

この長寿遺伝子はよい生活習慣で活性化できることが分かってきました。

ではどうしたら活性化できるのでしょうか。

まずは食事で、適度に1日に食べるカロリーを控えるということが大切です。

動物実験ではありますが、カロリー制限をしたマウスの長寿遺伝子は活性化され、見た目も若返り、健康になり寿命が伸びることが立証されています。

人類でも同様にカロリー制限が有効なようです。

具体的には食事摂取については腹八分で留めることが良いでしょう。

更には塩分制限、糖質過剰に注意する事、そして充分な野菜を摂取し、季節ごとの旬の食材を取ることがお勧めです。 

ただし高齢の痩せていて筋肉量が低下している(サルコペニア)人ではカロリー制限はかえって有害です。

タンパク質を1日3食しっかりとっていただくことが筋肉を維持し寿命を延ばすことになります。

適度の運動も長寿遺伝子の活性化に有効で死亡率を下げると言う結果も出ています。

またサプリメントのなかにも活性化に有効なものがあります。

体内で炎症が起こると遺伝子の組み換えに異常をきたし病気が発症しやすい環境となり、ひいては長寿の妨げになります。

炎症とは、発熱したり、痛みがあったりというものではなく、肥満症(脂肪肝など内臓脂肪型肥満症)やヘリコバクターピロリ菌の感染、逆流性食道炎などの慢性の炎症があげられます。

こうした病気をちゃんと治療していく事が大切です。

また、食後の歯磨きもとても大切です。

歯周病菌などは動脈硬化による脳梗塞や心筋梗塞、また大腸癌、認知症の発症とも関連深いと言われています。

口腔内を清潔に保つことで病気を予防し、更には間食を取ることも控えられると思います。

このようにして、健康長寿は確たる生まれつきの体質や素因も関与しますが、後天的に努力して勝ち取ることが可能です。 

長寿遺伝子が活性化されて皆さまの健康長寿が成就しますように私たちは応援したいと思っています。

投稿者: 健クリニック 院長三木基子

健クリニック アンチエイジングガイド